プロポーズ エピソード紹介集。バツイチの私を笑い飛ばしてくれた彼
それは25歳の頃。まだ周囲の友達も結婚していませんでした。
友達たちは週末になると合コン三昧だったものの、私には付き合って1年半になる彼がいました。
彼からプロポーズをされて悩んだ挙句、結婚を決意しました。
ですが、その結婚生活は長くは続きませんでした。
お金のなかった私たちにとってはまずは家探しが一つ目の課題。
お互いの職場を考えて家探ししようとしたものの、都内に借りるとなるととても高くて私たちの給料じゃ厳しかったのです。
そんな中、出てきたのが彼のお義母さん。お義母さんは同居を求めてきました。
旦那さん(お義父さん)を若くして亡くしているので、今思えば大好きな一人息子を手放したくなかったのでしょう。
同居という言葉に私もすぐに納得したわけではありません。
周りの話を聞いても、お姑さんとの同居で幸せに暮らしているという例をあまり見ていなかったからです。
悩んでいる私をみて、お義母さんは「お互いプライバシーはきちんとしましょう。勝手に部屋に入ったりはしないわ。」と畳み掛けてきました。
結果、家賃のことを考えても同居した方がいいと落ち着き、同居がスタートしました。
ですが・・・暮らしてみて本当にびっくり。
夕飯は毎日一緒。洗濯物の下着などを勝手にタンスにしまわれることもたびたびありました。
それはまだしも、一番驚いたことはわたしたち夫婦喧嘩にお義母さんが入ってくること。
少しでも大きな声を出そうものなら、どこで聞いていたのかドアをノックをして「そんなに怒らないであげて」と彼の味方をするのです。
そんな毎日が続き、私はストレスで体調も崩してしまいわずか一年で離婚をしてしまいました。
それから、私は結婚への恐怖心からなかなか抜けられずにいました。
この先結婚は考えず一人で気楽に生きていこうと思い始めていたとき、一人の男性と出会ったんです。
飾らない彼と仲良くなり、どんなことでも話せる関係性になっていました。辛かった結婚生活の話も包み隠さず話すことが出来、私の傷も少しずつ癒えてきました。
そして彼とお付き合いが開始。
2年付き合ったのち、私の誕生日に彼からプロポーズをされました。
彼の気持ちは嬉しい。でもやはり完全には結婚への恐怖心から抜け切れていないのと、こんな私でいいのかという迷いがありました。
彼は一人っ子だったので、彼のご両親はどう思うのかも心配事のひとつ。
すると彼も私の心配を感じていたようで「ちょっと行きたいところがあるんだ」と車に乗せられました。
着いたところはなんと彼の実家!
突然の訪問にびっくりしているご両親、そして私。
ご両親を前に彼は私のことを紹介してくれました。
「これが俺がいま付き合っている彼女。結婚を申し込んでいて今答えを待っています」
それからご両親に私の家族の話や、趣味の話などをいろいろ伝えてくれました。私のことをこんなに知ってくれていたのかとこちらが驚くほどに。
そしていよいよ心配していた例の話になったとき・・
「あとさ。こいつバツイチだから。な!」と言い私の肩をバンとたたきました。更に「バツがひとつついちゃっているんだよな。な!」ともう一発。
「残念だよな。バツがつくって言葉がひどいよな!(笑)」とおまけの一発。
最初は唖然としていたご両親もあまりにも彼がバツバツバツバツいうものだから思わず笑っていました。
今思うとあれは彼の精一杯の優しさだったのだと思います。
バツがついていることを、ご両親と私が気にしないように。彼自身が「俺はそんなこと気にしてないよ」と全力で表してくれたんです。
彼だって気にしているはずなのに・・こんなに明るく振舞ってくれて、彼の大きな大きな器に助けられました。
それから彼のご両親とも打ち解け、快く賛成してくれたので、後日婚姻届を提出しに行きました。
これから何かあっても彼は必ず私のことを守ってくれると信じています笙。