エピソード紹介集。ただのお隣さんからエレベーターで始まる恋
ひどく酔っていた日の帰り。
ようやくマンションまでたどり着き、エレベーターに乗ったら、よく見かけるお隣さんが乗ってきた。
L字型のマンションのお隣さんは、ベランダなどに出るタイミングが一緒だとすごく気まずい。
今私お酒臭いし嫌だな、としか思っていなかった。ようやく7階につき、自分の家に入る。
4年付き合った彼氏に振られた私は、ここ最近、いいことが無いななんて思っていた。
その翌日の帰宅も同じような時刻、エレベーターにはやはりお隣さん。
まただ~と思っていると、突然話しかけられた。
「すみません、実はあなたの郵便物がこちらのポストに入っていて。さっき気づかずに開封してしまって。本当にすみません。」
初めてお隣さんを直視すると、背の高い、整った顔の人だった。
なんとなくドキドキしてしまった私は
「大丈夫ですよ、渡してくださってありがとうございます。」と手紙を受け取った。
7階に着き、自分の部屋に入ると緊張が解け、やっと郵便物の確認ができた。
差出人は元カレ。なんで4年も付き合ったのに部屋番号を忘れるんだろう。
呆れながら手紙を見ると、別れの謝罪と合いカギだった。
こんなの見られるとは恥ずかしいな。だからあんなに謝ってたのかと考えていると、インターホンが鳴った。
「こんなものでお詫びになるとは思わないんですが。本当にすみませんでした。」
先ほどのお隣さんから箱に入ったチョコレートを差し出された。
「そんな気を使っていただくことじゃないので大丈夫ですよ。なんかすみません。」といいながらもチョコを受け取り、ドアを閉めた。
しばらくしてまたインターホンが鳴る。
ドアを開き、「どうかしました・・?」と聞くと、「これ、僕の名刺です。もし困ったことがあれば。」
彼はそう言って名刺を差し出し、自分の部屋に入って行った。
不思議な出会いだったけど、日々の忙しさで忘れかけていた頃。
普段鳴ることもないインターホンがまた鳴った。出ると、お隣さん。
「突然すみません、連絡来たらいいな程度に思っていたのですが・・。」
彼は頭をポリポリかくと、顔を赤くしながら言った。
「本当は、前から気になってました。突然で本当に困ると思うんですけど、もし、良かったら・・・お付き合いしてくれませんか?」
本当にあまりに突然のことに、目が点になってしまった。
ただちょうど元カレのこともあり、次に付き合う人は向うから好きと言ってくれる人にしようと考えていたところだった。
(これも何かの縁なのかな。)
そう思い、お付き合いを開始することにした。
これが2年前の話。
最近変化が生まれている。
日に日にお隣さんのことを大好きになっていく自分がいるようだ。
そんなお隣さん同士の私たちは、今年、結婚予定。