エピソード紹介集。結婚式当日のサプライズプロポーズ
彼とは付き合って4年。
私たちはお互い実家暮らしだったため、普段からお泊りはほとんどせずに、楽しいデートも終電の時間になったら解散、が私たち流。
出かけていても、だんだんと暗くなってくる空を見上げ、そろそろお別れの時間かと寂しく思う日々。
夕飯を食べ終わりしばらくした後、彼が「そろそろ行こうか」という一言を発するのが、その日のデートが終わる合図でした。
帰る場所は別々。もっと傍にいたい!と無性に寂しくなり、帰り際に泣いてしまうこともありました。
時期的にも、年齢的にも、そろそろ結婚してもいいんじゃないのかな?
と思った私は、仕事の量をセーブし、早めに帰宅しては花嫁修業と題して毎日料理の練習をしていました。
それまで料理なんてまともにしたことがなかった私。ほうれん草と小松菜の見た目なんてどっちがどっちか分からない。そんなレベルでした。(笑)
それでも、結婚してから美味しい料理を食べてもらいたくて、母親にみっちり付き合ってもらい毎日料理を勉強していました。
そんな彼とも、私の父の「いつになったら結婚するんだ。」という押しの一言と共に、ようやく入籍することが決まりました。
彼も結婚するつもりはあったものの、なかなか言い出せなかったようです。
すぐに家探しを開始し、住むアパートも決まった後は、家電屋や家具屋に毎週通いました。
そこから半年・・彼の仕事が落ち着いてきたこともあり結婚式を挙げることに。
何も手伝ってくれない彼との結婚式の準備は、ほぼ一人でこなすことになりとっても大変だったけれど、とても楽しみでした。
ただ私にはどうしてもひとつだけ、ひっかかっていたことがありました。
それはまだプロポーズをされていないということ。
次々とやることが山盛りだったため、きちんとしたプロポーズもないまま結婚式の日を迎えることになってしまったのです。
まあ、口下手な彼だからしょうがない。そんな彼を選んだのは私なんだから、ロマンチックなプロポーズなんて求めてちゃいけない。
と自分に言い聞かせていました。
3日前までの天気予報は雨だったにも関わらず、私たちの思いが届いたようで当日は秋晴れ!!
誰もがお出かけしたくなるような最高の天気になりました。
挙式・披露宴が順調に終わり、二次会会場へ移動。二次会は彼の友達に全てお任せしていました。
大体の流れは聞いていたものの、人前で話すのがとても得意な友達だったので安心してお願いしていました。
二次会もスムーズに進み、皆とお喋りやゲームをし、終盤を迎えたとき。
「それではここで新郎から新婦になにか伝えたいことがあるようです。」と司会の彼が一言。
するといきなり彼がマイクをとって、大きな声で喋りだしました。
「実はまだプロポーズをしていなかったということをずっと後悔していて。みなさん、良かったら証人になってくれませんか?」
大きな大きな花束が運ばれてきたと思ったら、彼はその場に跪き、私へその花束を差し出して、手紙を朗読し始めました。
驚いて目を丸くしている私をよそに、彼は淡々と読み上げます。
付き合い始めてから、きちんとプロポーズしたかったけれど勇気がでなかったこと。そのことを後悔していたこと。
元々人前に立つことが苦手で、結婚式すら注目を浴びたくない、と渋々承諾した彼です。
本人の前でもプロポーズ出来なかったくらいなのだから、こんな大人数の前でなんて余計恥ずかしかったと思います。
それでも顔を真っ赤にさせながら最後には「僕と結婚してください!」と言ってくれました。
今でもこの日のことを思い出すとニヤニヤがとまりません。
準備は手伝ってくれなかったけど、ありがとう。一生忘れられない記念日になりました。