皆とキャンプファイヤーの前でプロポーズ
アウトドア派な私は、昔からキャンプをしたりサーフィンをして過ごしてきました。
四季を楽しめるアウトドアは色々あって、一年を通して楽しい日々を送ってこれたと思います。
アウトドアを介して、多くの友人を作りました。彼と出会ったのは、その友人達の紹介でした。
人見知りをしない私と、アウトドア派だけど若干人見知りをする彼。
最初はあまり話が合わず知人程度の付き合いでしたが、少しずつ仲良くなっていったんです。
物静かな人ですが、いざという時頼りになる彼は周囲の人達からも信頼されていて、知れば知る程意外な一面が見れて好きになっていったんです。
告白をしてくれたのは彼からでした。
友人達の間でも公認の仲で、五年程恋人関係を続け、自然と結婚を意識するようにもなりました。
ある日仲間達と集まった時、少し遠出してキャンプをしようという予定がたちました。
キャンプ当日、大型タクシーを貸し切ってキャンプ場に行くまでの間、仲間達の様子がいつもと違う事が気がかりでした。
(どうしたんだろう……なんか皆、ちょっと変…?)
不思議に思いましたが、《皆もワクワクして仕方ないんだ》という結論に。
そのキャンプ場のコテージを三つ貸しきったのですが、人数的には二箇所で十分なのに何故?とここでも不思議に思ったのです。
現地に着くとバーベキューをしたり、近くを散策したりして過ごしました。
日が暮れる頃、キャンプファイヤーが出来る場所があったのでやってみる事に笙・
少し手間取りましたが、日が落ちた頃には無事に炎を起こすことが出来ました。
小さめのキャンプファイヤーを取り囲んで座り、マシュマロを焼いて食べながら雑談に花が咲きました。
すると仲間の一人が、
『そろそろ始めたら?もういいでしょ』
と言ったんです。
それを合図に他の仲間が用意していたアコギを弾き、数人が歌い始めたんです。
私があっけにとられていると、彼が目の前に小さな箱を出してきました。
それはまさに指輪を入れる為の、赤いハート型の箱でした。
「実はさ、今日は皆に協力してもらう為にキャンプに来たんだ」
「ど、どういう事…?」
「緊張するなコレ…。何言うか色々考えてたんだけどね、飛んじゃった(笑)」
「うん?」
「……僕と結婚して下さい」
緊張したように少し声を震わせながら彼がプロポーズの言葉を口にしました。
その間も皆の歌声は聞こえていたんですが、私はもうプチパニック状態だったんです。
みるみる顔は熱くなるし、声は出ないし。
だけど彼は辛抱強く返事を待ってくれていて、その姿を見て『あぁ、大丈夫だ』と不思議な安心感がありました。
「……私と、結婚して下さい!」
「ははっ、それ僕が言ったセリフだよ」
「あっ、えっとそうじゃなくって…!」
「大丈夫、分かってるよ。ありがとう、良い答えが聞けてホッとした」
すると仲間達が一気に歓声を上げて、嬉し泣きをしてしまいました(笑)
皆口々に、《失敗したらどうしようって昨日は寝れなかったー!》《おめでとう!二人とも本当にお似合いだから絶対大丈夫だよー!》と祝福してくれました。
皆が落ち着いた頃に彼から、
「コテージさ、1つは僕達だけが泊まるように予約してたんだよ。皆がね」
とコッソリ教えてくれて、皆心の底からプロポーズが上手く行く事を願っていてくれたんだと更に感動させられちゃいました。
結婚式が終わったら、また皆でここに来ようという約束をしたので今から楽しみです笙・